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音楽、声、効果音など、映画を彩る 様々な”音“ はどのように作られ、どういった効果を生んでいるのか。

映画に命を吹き込む映画音響の世界とその歴史を紐解く、興奮と感動に満ちたドキュメンタリーが誕生!
豪華映画人が語る、映画の“音”へのこだわり
音響に焦点を当てて、知られざる映画の歴史を振り返る
1927年に初めての本格トーキー映画『ジャズ・シンガー』が誕生。それ以降、映画音響は今現在も少しずつ進化の道を歩んでいる。本作ではジョージ・ルーカス、スティーヴン・スピルバーグ、ソフィア・コッポラ、デヴィッド・リンチ、アン・リー、クリストファー・ノーラン、ライアン・クーグラーなど、著名で独創的な映画監督たちが映画の“音”へのこだわりや芸術性を語るほか、映画の“音”において大きな影響をもたらした名作映画たちを振り返り、知られざる映画音響の歴史に迫る。
映画の音を作るのは技術だけではなく才能の輪 
仕事愛を語る裏方たち
裏方として名作映画を手掛けてきた音響技術者たちが明かす、実際の創作と発見。オーソン・ウェルズやアルフレッド・ヒッチコックがもたらした革新、ビートルズが映画音響に与えた影響、チューバッカなど人気キャラクターたちがイキイキとして見える秘密など貴重な体験談を語る。映画音響とは、観客を作品世界に引き込んでいく未知なる音作り。それに挑み続ける技術者たちの飽くなき挑戦と、奥深き仕事愛を知れば、これからの映画鑑賞も違ったものになるだろう。
監督:ミッジ・コスティン 
25年にも渡り、ハリウッドで主に音響デザイナー、音響編集者として活躍。当時は同職に女性が少なかったものの、『クライ・ベイビー』(90)、『デイズ・オブ・サンダー』(90)、『愛と死の間で』(91)、『ホーカス ポーカス』(93)、『男が女を愛する時』(94)、『リッチー・リッチ』(94)、『ザ・ロック』(96)、『コン・エアー』(97)、『アルマゲドン』(98)、など数多くの大作に参加。『クリムゾン・タイド』(95)と『アルマゲドン』(98)では、ゴールデン・リール賞の音響編集賞を受賞。 音響効果監督組合ゴールデン・リール賞の元理事であり、長年に渡り全米編集者組合のメンバーである。2005年にジョージ・ルーカスによりダイアローグ・音響編集の芸術学校の権威ある教授に認められ、USC映画芸術学校でも教鞭を振るっている。 本作『ようこそ映画音響の世界へ』が初の長編監督作である。
ウォルター・マーチ
音響デザイナー
『雨のなかの女』(69)よりキャリアをスタートさせて以来、『カンバセーション…盗聴…』(74)、『地獄の黙示録』(79)などフランシス・フォード・コッポラ監督作品を多く手掛ける。『地獄の黙示録』は、当時として画期的な手法である多重録音を行い、第52回アカデミー賞にて録音賞と編集賞をW受賞。この作品で「音響(サウンド)デザイナー」という肩書を作り出した。1969年、コッポラとジョージ・ルーカスによる映画制作スタジオ、アメリカン・ゾエトロープ社の設立に関わる。その他の作品に、『THX-1138』(71)、『アメリカン・グラフィティ』(73)と『ゴッドファーザー』のPARTⅡ(74)・PART Ⅲ(90)、『ゴースト ニューヨークの幻』(90)、『リプリー』(99)、『コールド マウンテン』(03)、『ジャーヘッド』(05)、『コッポラの胡蝶の夢』(07)、『テトロ 過去を殺した男』(09)などがある。『イングリッシュ・ペイシェント』(96)で、再びアカデミー賞録音賞と編集賞をW受賞。この2部門での受賞歴がある唯一の人物である。
ベン・バート
音響デザイナー
1970年代より『デス・レース2000年』(75)などで音響デザイナーとして活躍し始め、自身の代表作の一つである『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(77)でR2-D2、ライトセーバー、チューバッカの音・鳴き声などを作り出した。以降、同シリーズに多数参加。受賞歴も数多く、アカデミー賞では『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(81)で特別業績賞、『E.T.』(82)と『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(89)では音響編集賞を受賞。同賞でのノミネートは計6回にのぼる。その他、『SF/ボディ・スナッチャー』(78)、『エイリアン』(79)、『ブレードランナー』(82)、『ミュンヘン』(05)、『ウォーリー』(08)、『カールじいさんの空飛ぶ家』(09)、『スター・トレック』(09)、『SUPER8/スーパーエイト』(11)、『リンカーン』(12)、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(13)などを手掛け、華々しき仕事歴には枚挙に暇がない。
ゲイリー・ライドストローム
音響デザイナー、ミックスダウン技術者
1983年に、ルーカス・フィルムの音響制作部門であるスカイウォーカー・サウンドで働き始める。『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(84)で音響技術、『ターミネーター』(84)では音響デザインコンサルタント、『レモ 第1の挑戦』(85)ではフォーリー・アーティストとしても活躍。90年代に入ると、その手腕が広く評価され、91年に2作、『ターミネーター2』(91)でアカデミー賞の録音賞・音響効果編集賞を受賞、『バックドラフト』(91)が同賞にノミネートされるという快挙を遂げる。以降、シリーズに参加し続けている『ジュラシック・パーク』(93)では再び前述の2冠を達成、『タイタニック』(97)で録音賞、『プライベート・ライアン』(98)で音響効果賞と録音賞の2部門を3度目のW受賞。ノミネートは12回にも渡る。ベン・バートとは『スター・ウォーズ』(77-)シリーズなどで度々作業を共にする。その他のキャリアに『ミッション・インポッシブル』(96)、 『A.I.』(01)、『レディ・プレイヤー1』(18)や『トイ・ストーリー』(95)、『モンスターズ・インク』(01)、『ファインディング・ニモ』(03)、『シュガー・ラッシュ』(12)などアニメーション作品も多く手掛け、『ゲド戦記』(06)、『借りぐらしのアリエッティ』(10)、『風立ちぬ』(13)では英語版のADR監督も務めている。
ジョージ・ルーカス
1944年生まれ。1969年、コッポラと共にアメリカン・ゾエトロープ社を設立、『THX-1138』(71)で長編監督デビュー。続いて自社制作会社ルーカス・フィルムを立ち上げ、『アメリカン・グラフィティ』(73)を発表し評判を呼んだ。ドルビー・ステレオを導入した『スター・ウォーズ』(77-)シリーズのヒットにより映画監督としての実力と知名度は確固たるものとなる。
映画において、映像と音の持つ重要性は50%ずつと提唱する彼は、1980年にはルーカス・フィルム音響部門としてTHX社を設立、シリーズを始めとした上映環境の改善と向上に大いに貢献する。『インディ・ジョーンズ』(81-)シリーズの原案・製作ほか、『ラビリンス/魔王の迷宮』(86)など、いずれもスケール感の大きなSF・アドベンチャーを多く世に送り出している。
スティーヴン・スピルバーグ
1946年生まれ。TV映画だった『激突!』(71)で劇場映画デビュー。『ジョーズ』(75)で第48回アカデミー賞の音響賞含め3冠を受賞、世界に衝撃を与える。『未知との遭遇』(78)、『インディ・ジョーンズ』(81-)シリーズ、『E.T.』(82)とヒットメーカーとしての地位を確立、『シンドラーのリスト』(93)で初めて念願のアカデミー賞の作品賞、監督賞含む7部門で受賞。以降、傑作を作り続け、ハリウッドを代表する映画監督となる。2度目のアカデミー賞監督賞の受賞を果たした『プライベート・ライアン』(98)ほか、『A.I.』(01)、『マイノリティ・リポート』(02)、『戦火の馬』(11)、『リンカーン』(12)、『レディ・プレイヤー1』(18)など、ゲイリー・ライドストロームとの仕事が多い。映画賞以外にも、2006年にはケネディ・センター名誉賞、2015年には大統領自由勲章が贈られた。
デヴィッド・リンチ
1946年生まれ。『イレイザーヘッド』(77)が、フランシス・フォード・コッポラなどに評価され名声を得る。その後『エレファント・マン』(80)の監督に抜擢、アカデミー賞ノミネートを果たす。『デューン/砂の惑星』(84)は興行的に惨敗するも、『ブルーベルベット』(86)で大成功を収める。『ワイルド・アット・ハート』(90)では第43回カンヌ映画祭パルムドールを受賞。同年に始まったTVシリーズ「ツイン・ピークス」(90-91、17)は熱狂的なファンを獲得した。『マルホランド・ドライブ』(01)では第54回カンヌ映画祭監督賞を受賞。2019年には第11回ガバナーズ・アワードにおいてアカデミー名誉賞を受賞。アカデミー監督賞に3回ノミネートされたリンチにとって初のオスカー受賞となった。映画監督の他に画家、ミュージシャン、歌手、サウンドデザイナー、写真家、俳優など多彩な才能を発揮。
ソフィア・コッポラ
1971年生まれ。脚本家、映画監督、女優。『ロスト・イン・トランスレーション』(03)で第76回アカデミー賞脚本賞を受賞。他の主な監督作品は『ヴァージン・スーサイズ』(99)、『マリー・アントワネット』(06)『SOMEWHERE』(10)『ブリングリング』(13)など。近年では、『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(17)、Netflix作品『ビル・マーレイ・クリスマス』(15)などがある。2016年にはローマ歌劇場でオペラ「椿姫」の初演出を務めた。現在は、ビル・マーレイと三度目のタッグとなる『On the Rocks(原題)』を準備中。
バーブラ・ストライサンド
1942年生まれ。歌手、女優、映画監督、プロデューサーとして活躍。 1962年に歌手デビューし、63年にはデビューアルバム「ザ・バーブラ・ストライサンド・アルバム」でグラミー賞を3部門受賞。69年からは作曲家としての才能も開花させる。スクリーンデビューを果たした『ファニー・ガール』(68)では、第41回アカデミー賞で主演女優賞を獲得。製作総指揮も務めた『スター誕生』(76)では、第49回アカデミー賞歌曲賞、第34回ゴールデングローブ賞では、主演女優賞を受賞。『愛のイエントル』(83)で監督としてもデビューし、製作・脚本・主演を兼任。第41回ゴールデングローブ賞では監督賞と作品賞の2冠に輝く。その後も音楽活動、女優として成功を収め続けている。